大阪大学高等教育・入試研究開発センターでは、入試改革や教育改革に資する様々な情報発信を国内外に行い、高大接続改革に貢献していくために、概算事業「多面的・総合的な評価への転換を図る入学者選抜の改善システム構築」(平成28〜33 年度)に現在取り組んでいます。本事業の一つの柱として、大学教職員や大学院生などを対象に、HAO(Handai Admission Officer)育成プログラムを開発・提供しています。
平成30年8月23日(木)〜24日(金)に「多面的・総合的評価201」をテーマに第3回HAO育成プログラムを開催しました。大学入試および教育改革に関わっている学内外の大学教職員や高校関係者の方々47名がプログラムに参加し、2日間、各仮想大学のケーススタディをもとに、アドミッション・ポリシーの設定から、選抜・評価方法の検討、評価ルーブリックの作成、書類選抜・面接評価など、多岐にわたり理論の学習と実践に取り組みました。これまでのプログラム参加者より、プログラム終了後自学で実践可能なスキルや能力を身につけられるプログラム内容にしてほしいという声が多くあり、今回このようなプログラム内容としました。
HAO育成プログラムの1日目は、まず3ポリシー(ディプロマ・ポリシー、カリキュラム・ポリシー、アドミッション・ポリシー)をどのように全体的に関連性や統一性を保ちながら、より明確なポリシーに見直すのか、そして明確化されたアドミッション・ポリシーからどのように選抜・評価方法を検討し、評価ルーブリックを作成するのかをグループごとに検討しました。2日目のセッションでは、1日目に作成した評価ルーブリックを用い、3名の志願者サンプルを書類・面接評価し、合否判定をしました。各仮想大学で、入学者選抜の一連のプロセスを経験し、自大学の経験や課題を異なる視点から振り返り、プログラムで学んだことをどのように自大学に応用していくべきか、考え直す機会になりました。
第3回HAO育成プログラムに参観いただいたAAC&U(全米カレッジ・大学協会)上級研究員および大阪大学特任教授であるスーザン・アルバーティン先生および参加者の皆様からプログラムのフィードバックを受け、プログラムの更なる改善や開発をし、今後大学院の副専攻プログラム化していく予定です。